各事件を数字・流れ・学べることの順に、数分で読めるようにまとめました。
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収録している事件(一覧)
| No. | 年 | 事件 | 数字で見ると |
|---|---|---|---|
| #001 | 2012 | ナイト・キャピタル事件(2012) | |
| #002 | 2015 | スイスフランショック(2015) | 33億円の穴何が起きた? |
| #003 | 2018 | 1日で92%下落 | 1日で92%下落何が起きた? |
| #004 | 2010 | 2010年フラッシュクラッシュ | ダウ998ドル安何が起きた? |
| #005 | 2024 | 2024年8月5日 日経平均の史上最大の下げ | 4,451円安何が起きた? |
| #006 | 2025 | SNS型投資詐欺(2025) | 1,288億円何が起きた? |
| #007 | 2018 | VIXショック(2018) | 84%消えた何が起きた? |
| #008 | 2019 | 円のフラッシュクラッシュ(2019) | 豪ドル円約7%安何が起きた? |

45分で約360億円が消えた──ナイト・キャピタル事件(2012)
2012年8月1日、米国の大手証券会社ナイト・キャピタルは、取引開始からわずか45分で約4億6000万ドル(当時のレートで約360億円)を失いました。
原因は、8台のうち1台のサーバーへの入れ忘れと、9年前に使うのをやめた古いプログラム。SECの命令書をもとに、その45分をたどります。
この事件でわかること
- ナイト・キャピタルと注文を自動で送る仕組み「SMARS」
- 使われなくなった「Power Peg」と、1台だけの入れ忘れ
- 市場が開く前の97通のメール
- 45分間に起きたこと(400万回超の約定、154銘柄、3億9700万株超)
- 損失・株価・4億ドルの出資と、その後
- SECの命令(制裁金1200万ドル)と指摘された5つの問題
- その後のルールの動き(レギュレーションSCI)
- 個人が学べること
私たちが学べること(チェックリスト)
- 自動で動くものは、間違いも、自動で、速く広がります。ナイトでは、212件の注文が、45分で400万回以上の取引になりました。 人なら途中で手が止まることも、機械は止まりません。
- 止める仕組みを、先に決めておくこと。どこまで損をしたら止めるのか。何回まで注文したら止めるのか。 動かす前に決めておかないと、いざというときに間に合いません。
- 使っていない設定やルールを、残したままにしないこと。ナイトでは、9年前の機能が、たった1つの旗で目を覚ましました。忘れたものほど、思わぬ時に動き出します。
- 何かを変えたら、もう一度確かめること。自分だけでなく、もう1つの目で見ること。8台のうちの1台。その入れ忘れは、もう1人が見ていれば、防げたかもしれません。
- おかしなサインを、見過ごさないこと。市場が開く前に届いていた、97通のメール。 いつもと違うお知らせが来たら、一度立ち止まる。それだけで、結果は変わったかもしれません。
自動化は、速い。だからこそ、止める仕組みが必要になる。これが、ナイト・キャピタル事件が残した記録です。
出典(主なもの)
- SEC 命令書 Knight Capital Americas LLC, Release No. 34-70694(2013年10月16日) https://www.sec.gov/litigation/admin/2013/34-70694.pdf
- SEC 発表 2013-222「SEC Charges Knight Capital With Violations of Market Access Rule」 https://www.sec.gov/news/press-release/2013-222
- Knight Capital Group 8-K 添付プレスリリース(2012年8月2日) https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/0001060749/000119312512332176/d391111dex991.htm
- Knight Capital Group 10-Q(2012年) https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/0001060749/000119312512346917/d361681d10q.htm
- Knight Capital Group 4億ドルの出資完了の発表(2012年8月6日, Mondo Visione 掲載) https://mondovisione.com/media-and-resources/news/knight-capital-group-completes-400-million-equity-financing-agreement-infusio-201286/
- NPR「Knight Capital Says It Lost $440 Million Because Of Computer Glitch」(2012年8月2日) https://www.npr.org/sections/thetwo-way/2012/08/02/157824026/knight-capital-says-it-lost-440-million-because-of-computer-glitch
- Fox Business「Knight Capital Trading Glitches Strike Wall Street」(8月1日の終値) https://www.foxbusiness.com/markets/knight-capital-trading-glitches-strike-wall-street
- NBC News「Knight Capital gets $400 million lifeline」(8月3日・6日の株価) https://www.nbcnews.com/business/markets/knight-capital-gets-400-million-lifeline-flna926363

ロスカットが間に合わず33億円──スイスフランショック(2015)、1つの発表で何が起きたか
2015年1月15日、日本時間の午後6時30分。スイス国立銀行が「1ユーロ=1.20フラン」の下限をやめると発表し、ユーロ/フランは一時0.8517まで約29%下落しました。
ロスカットは間に合わず、国内のFX口座には33億8,800万円(1,229件、速報値)の未収金が残りました。公的な記録と開示書類をもとに、その日をたどります。
この事件でわかること
- 1.20フランの下限と、その撤廃
- ロスカットと「未収金」のしくみ
- 海外の業者への広がり
- その後のルールと、個人が学べること
私たちが学べること(チェックリスト)
- 自動で止める仕組みは、相場がつながって動くことを前提にしています。値段が飛ぶと、決めた水準では止まりません。 ロスカットも、自分で決めた損切りの注文も、同じです。設定した値段は、約束された値段ではありません。
- 損失は、預けたお金を超えることがある、と知っておくこと。超えた分がどうなるのかは、国や業者、取引の種類によって決まりが違います。 使う前に、契約やルールの説明を、自分の目で読んでおくことです。
- 「断固として守る」と言われた線も、変わることがある。中央銀行が、断固として守ると書いた28日後に、その線はなくなりました。 どんな前提も、いつか崩れるかもしれない、と考えておくことです。
- 自動の仕組みは、自分が画面を見ていない時間にも動いている。発表は、日本の夕方6時半でした。帰りの電車の中で、何が起きたかを知った人もいたはずです。
- 一度に動かす金額を、最悪の場合でも耐えられる大きさにしておくこと。業者に求められたストレステストと同じように、もし一気に3割動いたら、と一度計算してみる。 それだけで、見え方は変わるかもしれません。
止める仕組みは、あった。でも、止まらない時がある。これが、スイスフランショックが残した記録です。
出典(主なもの)
- SNB 発表 2011-09-06 https://www.snb.ch/public/asset/en/www-snb-ch/publications/communication/press-releases/2011/pre_20110906/publications0_en/pre_20110906.en.pdf
- SNB 発表 2014-12-18 https://www.snb.ch/public/asset/en/www-snb-ch/publications/communication/press-releases/2014/pre_20141218/publications0_en/pre_20141218.en.pdf
- SNB 発表 2015-01-15 https://www.snb.ch/public/asset/en/www-snb-ch/publications/communication/press-releases/2015/pre_20150115/publications0_en/pre_20150115.en.pdf
- SNB 総裁会見 2015-01-15(BIS) https://www.bis.org/review/r150116a.htm
- SNB 2015年決算 https://www.snb.ch/public/asset/en/www-snb-ch/publications/communication/press-releases/2016/pre_20160304/publications0_en/pre_20160304.en.pdf
- RTS 2015-01-12 https://www.rts.ch/info/economie/6451810-le-taux-plancher-doit-rester-le-pilier-de-la-politique-monetaire-suisse.html
- Reuters(FT.lk) https://www.ft.lk/Financial-Services/switzerland-ends-euro-minimum-exchange-rate-cuts-interest-rate/42-382312
- J-CAST 2015-01-16 https://www.j-cast.com/2015/01/16225480.html

「ボットで月40%」の正体──1日で92%下落、2018年の暗号資産事件
2018年1月16日、「自動売買ボットで月40%」をうたっていた暗号資産の貸し出しプログラム(BitConnect)が閉鎖を発表し、そのコインのサイト上の値段は92%下がりました(SEC 訴状)。
SEC によると集めたのは32万5,000ビットコイン超・約20億ドル。米司法省は創設者の起訴で約24億ドルの詐欺としています。SEC の訴状・司法省の発表・州の命令をもとに、その流れをたどります。
この事件でわかること
- 「月40%」の貸し出しプログラムのしくみ
- 見せられなかったボットと、紹介料・動画の宣伝
- 州の当局の停止命令と、1月16日の閉鎖
- お金の行き先、裁判、私たちが学べること
私たちが学べること(チェックリスト)
- 中身を見せない自動売買には、立ち止まること。ノースカロライナ州が書いたとおり、秘密の取引システムで、その存在の証拠すらないものは、確かめようがありません。
- マイナスの日がない実績は、安心の材料ではなく、確かめるきっかけにすること。本物の相場には、下がる日があります。 毎日プラスの数字は、運用の結果ではなく、画面に書かれた数字だったのかもしれません。
- 誘うと紹介料が入るしくみと、すぐには引き出せない元本。お金が入ってくる道は太く、出ていく道は細い。新しいお金で先の人に払うしくみは、その形でしか続けられません。
- 体験談の動画は、宣伝かもしれないと考えること。この事件では、動画を出した人たちに紹介料が入っていました。 そして控訴裁判所は、動画での呼びかけも勧誘になりうる、と判断しています。
- は、終わったあとのことです。「お金が戻る」という連絡が来たら、まず、公的な窓口で確かめること。これは、海の向こうだけの話ではありません。 日本の国民生活センターも、2024年1月、暗号資産の自動売買ソフトをめぐる相談の例を公表しています。
これが、「ボットで月40%」の事件が残した記録です。
出典(主なもの)
- SEC 訴状 2021-09-01 https://www.sec.gov/litigation/complaints/2021/comp-pr2021-172.pdf
- SEC 発表 2021-172 https://www.sec.gov/news/press-release/2021-172
- 米司法省 2021-09-01(有罪答弁) https://www.irs.gov/compliance/criminal-investigation/director-and-promoter-of-bitconnect-pleads-guilty-in-global-2-billion-cryptocurrency-scheme
- 米司法省 2021-11-16 https://www.justice.gov/opa/pr/56-million-seized-cryptocurrency-being-sold-first-step-compensate-victims-bitconnect-fraud
- 米司法省 2022-02-25 https://www.justice.gov/archives/opa/pr/bitconnect-founder-indicted-global-24-billion-cryptocurrency-scheme
- 米司法省 2022-09-16 https://www.justice.gov/usao-sdca/pr/us-promoter-foreign-cryptocurrency-company-sentenced-prison-role-fraud-scheme
- 米司法省 2023-01-12 https://www.justice.gov/usao-sdca/pr/victims-bitconnect-scheme-receive-more-17-million-compensate-losses
- テキサス州証券委員会 2018-01-04 https://www.ssb.texas.gov/news-publications/4-billion-crypto-promoter-ordered-halt-fraudulent-sales

価格を見ない売り注文、20分で約3,800億円──2010年フラッシュクラッシュ、ダウ一時998ドル安
2010年5月6日午後2時32分(米国東部時間)、米国の大手運用会社の自動の売り注文が S&P500 先物(E-mini)7万5,000枚・約41億ドル(当時のレートで約3,800億円)を約20分で売り切り、ダウ平均は取引時間中に一時998.5ドル下げました。
その売りの決まりは「直前1分の出来高の9%」で、値段も時間も見ないものでした(SEC・CFTC 共同報告書)。止めたのは取引所の5秒の停止。報告書・SEC の発表をもとに、その36分と、その後に変わった市場のルールをたどります。
この事件でわかること
- 朝から不安が広がっていた市場と、薄くなっていた板
- 「出来高の9%」で値段を見ない売りのプログラム
- 14秒の「ホットポテト」と、5秒の停止
- 1セントと10万ドルの取引、2万件超の取り消し
- その後に変わったルールと、私たちが学べること
私たちが学べること(チェックリスト)
- 取引の量は、安全のしるしにはならないこと。報告書は、出来高を流動性の目安にするのは危ういと書いています。 この日、量を膨らませていたのは、受け止める人ではなく、渡し合う人たちでした。
- 自動のしくみには、「やめる条件」を入れておくこと。機械は、与えられた決まりのとおりに動きます。値段を見ない決まりなら、値段がいくらでも売り続けます。 止まる条件は、人が先に書いておくしかありません。
- 損失を止めるための注文にも、「いくらまでなら売るか」の下限を考えておくこと。報告書は、個人の損切りの注文を含む売りが、買い手の減った板に当たって値段を押し下げたこと、そして成行の売りが、ほかに注文のない板で1セントのような値段で約定したことを書いています。
- 急な値動きのとき、自分の注文がどう扱われるかを、ふだんから確かめておくこと。取り消しの基準は60%でした。それより小さな下げで成立した取引は、取り消しの対象ではありませんでした。 取り消してもらえるとは限らないのです。
出典(主なもの)
- SEC・CFTC 共同報告書(2010-09-30) https://www.sec.gov/news/studies/2010/marketevents-report.pdf
- CFTC 発表 5912-10(2010-10-01) https://www.cftc.gov/PressRoom/PressReleases/5912-10
- SEC 発表 2010-98(2010-06-10) https://www.sec.gov/news/press/2010/2010-98.htm
- SEC 発表 2010-167(2010-09-10) https://www.sec.gov/news/press/2010/2010-167.htm
- SEC 発表 2010-216(2010-11-08) https://www.sec.gov/news/press/2010/2010-216.htm
- SEC 発表 2012-107(2012-06-01) https://www.sec.gov/news/press-release/2012-2012-107htm
- SEC Berman 講演(2010-10-13) https://www.sec.gov/news/speech/2010/spch101310geb.htm
- CFTC 主任エコノミスト室 Kirilenko ほか(2014) https://www.cftc.gov/sites/default/files/idc/groups/public/@economicanalysis/documents/file/oce_flashcrash0314.pdf

4,451円安──2024年8月5日 日経平均の史上最大の下げ、1つの利上げで何が起きたか
2024年8月5日、日経平均株価は1日で4,451円28銭(12.4%)下がり、3万1,458円42銭で取引を終えました。下げ幅は史上最大、下落率は1987年10月20日に次ぐ史上2番目です。
日本銀行の利上げ(7月31日)と米国の弱い雇用統計(8月2日)をきっかけに、円キャリートレードの巻き戻し・信用取引の追証・FXのロスカット・値動きについていくプログラムが同じ向きに動きました。日経・BIS・日本銀行・金融庁の資料でたどります。
この事件でわかること
- 円キャリートレード(BISの目安で約40兆円)と、信用取引・FX
- この日に動いた4つの「自動の売り」
- 7月31日の利上げと8月2日の米雇用統計
- 8月5日のサーキットブレーカーと、薄くなった板
- 翌日の史上最大の上げと、私たちが学べること
私たちが学べること(チェックリスト)
- 信用取引やFXを使うなら、自分の取引に「自動で決済される条件」があることを知り、その条件を、前もって確かめておくことです。たとえば、自分の口座の画面で、維持率がどこに表示されているかを、一度見ておく。 それだけでも、急な日に慌てずにすみます。
- その条件に、急な下げのときに、どれくらいで届くのかを、数字で見ておくことです。たとえば、1日で12%下がったら、自分の口座はどうなるか。 計算はかんたんです。持っている金額に下落率をかけて、それが担保の何割になるかを見ます。
- 追証が出たときに、入れられるお金が本当にあるのか、それとも決済を受け入れるのかを、慌てていないときに決めておくことです。追証のためのお金は、生活のためのお金とは分けて考えることです。 生活のお金まで入れてしまうと、次の下げで、生活そのものが揺らぎます。
- 「史上最大」などの言葉を見たら、それが幅なのか、率なのかを確かめることです。怖い言葉を見たときほど、一度、数字の物差しを確かめる。 それが、自動で動く決まりに、自分まで流されないためのコツです。
出典(主なもの)
- 日経 指数・用語解説「2024年8月」 https://indexes.nikkei.co.jp/atoz/2024/09/202408.html
- BIS Bulletin No.90(2024-08-27) https://www.bis.org/publ/bisbull90.htm
- 日本銀行 金融市場調節方針の変更等について(2024-07-31) https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2024/k240731a.htm
- 日本銀行 内田副総裁 挨拶(2024-08-07 函館) https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2024/ko240807a.htm
- 金融庁 FSA Analytical Notes 2025.1 vol.1(2025-01-08) https://www.fsa.go.jp/common/about/kaikaku/fsaanalyticalnotes/20250108/20250108.html
- 日本取引所グループ サーキット・ブレーカー発動履歴 https://www.jpx.co.jp/markets/derivatives/scb-info/nlsgeu000006mpqu-att/20260105_scb_his.pdf
- 米労働統計局 Employment Situation(2024-08-02) https://www.bls.gov/news.release/archives/empsit_08022024.pdf
- SEC・CFTC 共同報告書(2010-09-30) https://www.sec.gov/news/studies/2010/marketevents-report.pdf

1,288億円──SNS型投資詐欺(2025)、1つの広告とメッセージで何が起きたか
2025年、SNSをきっかけにした投資詐欺(SNS型投資詐欺)は9,523件・1,288.0億円(警察庁 確定値。前年比 件数 +48.5%・被害額 +47.9%)。入口はバナー等の広告 3,785件とダイレクトメッセージ 3,549件で、全体の約8割でした。
警察庁・金融庁・国民生活センターの資料と、国の「総合対策」をもとに、手口の流れ、増え方、振り込む前に誰でも確かめられることをたどります。
この事件でわかること
- SNS型投資詐欺とは(警察庁の数え方と、よくある流れ)
- 2025年の数字:9,523件・1,288億円
- 広告の言葉(「必ずもうかる」「元本が保証される」)
- もう1つの入口、ダイレクトメッセージ
- 国の対策と、振り込む前に確かめられること
私たちが学べること(チェックリスト)
- 「必ずもうかる」「元本が保証される」という言葉を見たら、それ自体を、立ち止まるサインにすることです。正規の業者が、そういう言い方をしないのは、法律で決められているからです。 言わないはずの言葉を聞いたら、相手を疑う理由になります。
- 有名人が出ていても、それだけで本物とは考えないことです。気になったら、その人の公式のページや、所属する会社の発表を見てみることです。 国民生活センターも、まずそこを確認するよう、すすめています。
- お金を振り込む前に、相手の登録を、金融庁の一覧で確かめることです。相手が名乗った会社の名前が、一覧にあるか。名前が似ているだけの、別の会社ではないか。そこまで見ることです。
- 向こうから届いた投資の話は、一度、家族や相談窓口に話してみることです。家族に話すのは、反対されるためではありません。自分だけでは見えない点に、気づいてもらうためです。 金融庁は、AIといった言葉を使って誘い、投資の勧誘につなげる例も紹介しています。
出典(主なもの)
- 警察庁 令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値・2026-06-05) https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/260605/01.html
- 同 資料1 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/assets/img/new-topics/detail/260605/01/01.pdf
- 同 資料2 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/assets/img/new-topics/detail/260605/01/02.pdf
- 警察庁 令和8年8月末 暫定値(2026-10-02) https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/261002/01.html
- 警察庁 SOS47 SNS型投資詐欺 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/sns-romance/investment/
- 国民生活センター(2024-05-29) https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20240529_1.pdf
- 国民生活センター(2026-09-01) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260901_1.html
- 金融庁 SNS上の投資勧誘にご注意ください https://www.fsa.go.jp/receipt/toushisagi_koukoku/shuhou.html

1日で84%──VIXショック(2018)、1つの「夕方の買い直し」で何が起きたか
2018年2月5日、アメリカ東部時間の午後4時8分。わずか1分間に VIX先物が11万5,862枚取引されました(市場全体の約4分の1・BIS)。「値動きが小さいほど値上がりする」商品の1つ XIV は84%値下がりし、翌日、東証の ETN(2049)も上場廃止が決まりました。
国際決済銀行(BIS)の分析、発行体・東京証券取引所の発表、CBOE の VIX のデータをもとに、商品が毎日行う「夕方の買い直し」のしくみと、その1分間に何が起きたかをたどります。
この事件でわかること
- VIX(恐怖指数)と、静かだった2017年
- 2倍・反対向きの商品の「毎日の買い直し」
- 2月5日 16時08分の1分間
- XIV の早期償還と東証 2049 の上場廃止
- BIS が残した警告と、私たちが確かめられること
私たちが学べること(チェックリスト)
- 持っている商品が、毎日、何を、いつ、自動で売り買いしているのかを、説明書で確かめることです。ETNやETFの説明書は、取引所や発行する会社のホームページで読めます。 「毎日」「指数の何倍」という言葉があれば、毎日、持つ量を合わせ直している商品だと考えられます。
- 「早期償還」や「繰上償還」など、商品が終わる条件を、先に読んでおくことです。値段が戻るのを待てない場合があります。 その言葉の近くに、どんな条件が書かれているか。
- 「静かな相場で稼ぐ」しくみは、静けさが崩れた日に、まとめて失う形になりやすい、と知っておくことです。毎日少しずつ増えるグラフは、安心して見えます。 でも、そのグラフが、何が起きたら止まるのかは、グラフの形からは分かりません。
- 信用取引で持つなら、商品が終わったとき、担保や返済の予定も一緒に動くことがある、と知っておくことです。東証が2049を担保から外したように、1つの商品の終わりが、口座全体に広がることがあるのです。 どれも、商品の良し悪しの話ではありません。しくみを知ってから持つ、という確認です。
出典(主なもの)
- BIS Quarterly Review 2018年3月「The equity market turbulence of 5 February – the role of exchange-traded volatility products」 https://www.bis.org/publ/qtrpdf/r_qt1803t.htm
- Credit Suisse AG Announces Event Acceleration of its XIV ETNs(2018-02-06・Mondo Visione 転載) https://mondovisione.com/news/credit-suisse-ag-announces-event-acceleration-of-its-daily-inverse-vix-short-ter-201826
- 東京証券取引所 上場廃止等の決定(2018-02-06) https://www.jpx.co.jp/news/1021/20180206-11.html
- ProShare Capital Management 8-K(米SEC 2018-02-26) https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1415311/000119312518059052/d503117d8k.htm
- CBOE VIX(FRED VIXCLS) https://fred.stlouisfed.org/series/VIXCLS
- Schaeffer's Investment Research(2018-01-10) https://schaeffersresearch.com/content/bgs/2018/01/10/speculative-players-still-not-complacent-on-the-vix
- AP(2018-02-06・The Times of Israel 転載) https://www.timesofisrael.com/dow-plunges-1175-points-in-worst-day-for-stocks-since-2011/
- ロイター(2018-02-06・Investing.com 転載) https://uk.investing.com/news/stock-market-news/credit-suisse-exposure-to-volatility-notes-hedged-1017841

豪ドル円 約7%安──円のフラッシュクラッシュ(2019)、正月の朝の30秒で何が起きたか
2019年1月3日、日本時間の朝7時36分。お正月休みの最中、目立ったニュースが無い中で、円はおよそ30秒でドルに対して3%上がり、続く2分ほどで豪ドルは円に対して約7%下げました(オーストラリア準備銀行 RBA)。
RBA の分析、ロイター・ブルームバーグの当日の報道、ニューヨーク連銀・BIS の資料をもとに、「自動の損切り」が同じ数分に重なったしくみと、静かな時間に何が起きたかをたどります。
この事件でわかること
- 静かなお正月の市場と、日本の個人のキャリートレード
- 自動の損切りは「値段の約束」ではない
- 7時36分からの数分間
- 数分で戻った値段と、戻らない口座
- くり返す数分の急変と、私たちが確かめられること
私たちが学べること(チェックリスト)
- 損切りは「この値段で売れる」約束ではなく、「この値段に来たら売りに出す」予約だと、知っておくことです。業者によっては、悪い値段では成立させない、という指定ができる注文もあります。 ただし、その場合は、売れないまま損が広がることもあります。どちらにも、表と裏があります。
- 休みの日や早朝など、参加者が少ない時間があることを知り、その時間に、どれくらいの持ち高を抱えているかを確かめておくことです。カレンダーで、日本の祝日、年末年始、海外の休みを確かめ、持ち高を小さくしておくかどうかを、前もって決めておきます。
- 自分の損切りの値段が、きりのいい数字のすぐそばなど、多くの人と同じ場所になっていないかを見直すことです。80円や100円のような、きりのいい数字のすぐそばは、多くの人の損切りが集まりやすいと言われる場所です。
- 最悪の値段で閉じられたとしても、口座や生活がもつかどうか。上限を決めておくことです。最悪の値段は、自分の損切りの値段より、ずっと先かもしれない。 その前提で、口座に置くお金と、取引の大きさを決めておく。それだけで、守れるものがあります。
出典(主なもの)
- RBA Statement on Monetary Policy February 2019, Box B「The Recent Japanese Yen Flash Event」 https://www.rba.gov.au/publications/smp/2019/feb/box-b-the-recent-japanese-yen-flash-event.html
- ロイター(2019-01-03・Investing.com 転載)Japanese yen soars as 'flash crash' sweeps currency market https://www.investing.com/news/forex-news/japanese-yen-soars-as-flash-crash-sweeps-currency-market-1735621
- ロイター(2019-01-03・Investing.com 転載)Yen soars, Aussie tumbles as fresh growth worries trigger FX 'flash crash' https://www.investing.com/news/forex-news/yen-soars-aussie-tumbles-as-fresh-growth-worries-trigger-fx-flash-crash-1735652
- ブルームバーグ(2019-01-03)Yen Surge and Algos Set Off 'Flash-Crash' Moves in Currency Market https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-01-02/yen-surge-algos-set-off-flash-crash-moves-in-currency-market
- ドイツ銀行 FX ストラテジストのメモ(2019-01-03・MarketScreener 転載) https://in.marketscreener.com/quote/stock/DEUTSCHE-BANK-AG-56358396/news/Deutsche-Bank-Thursday-s-currency-flash-crash-explained-27821867
- ニューヨーク連銀 外為委員会「Anatomy of flash events」(2019-04-04) https://www.newyorkfed.org/medialibrary/microsites/fxc/files/meetingminutes/anatomy_of_flash_events.pdf
- BIS 市場委員会 ポンドの急変の報告(2017-01-13) https://www.bis.org/press/p170113.htm
- グローバル外為委員会(FXグローバル・コードの経緯) https://www.globalfxc.org/history.htm